Qiitaなどを毎日見ていますが、最近はランキングにオピニオン記事が乗ってくることも多くなりました。
その中で多い意見としては以下のようなものがあります。
- Excelの仕様書は嫌だ
- 特に詳細設計書は嫌だ
- SIerは嫌だ
自分は「Excelは改造すれば使いやすくて最高!!」と思っているし、SIerに10年近く勤務しているので、このようなExcelアレルギーみたいな記事を見ると「うーん」と思うところもあります。
そこで「Excelは仕様書は嫌だ」という意見に対して反論をしてみたいと思います。
主な嫌Excel派の意見を上げると以下のような感じでしょうか。
- 表計算ソフトの使い方ではない
- 保守するのが面倒、そもそも詳細設計書っている?
- ファイルとして保存できるので、色々なバージョンが出来てしまう
- 検索がしにくい
一つずつ、自分の意見を書いていこうかと思います。
表計算ソフトの使い方ではない
「Excelってのは表計算ソフトなんだから設計書に使うなよ!!」という意見は必ずあるところですね。
例えば、設計書であればWordやVisioを使うのが本来のやり方な気がします。
自分は、PowerPointは流石に使いますが、WordやVisioで書けと言われたら断固として反対しますね。
Wordは書式や図を書くのが非常に面倒くさいです。
Visioは細かい説明文を書けるようなソフトではないです。
そうなると、画面遷移図はUMLはVisio、図はExcel、文書はWordと分けることになりますが、絶対に管理が面倒になります。
であれば全てを高いレベルでこなせるExcelで一元管理するのが良いかなと思うところです。
「それでも表計算ソフトを使うな!Wordだ!」と意見より利便性や生産性を重視したいです。
保守するのが面倒、そもそも詳細設計書っている?
前項で「いやいや、生産性ならMarkDownでしょ。」と思われる方もいるかも知れませんが、Excelの場合は図に直接オブジェクトを重ねたり、吹き出しで注釈を入れたりも出来るので、ちょっとした共有でも劣っていない思います。
そして外部の人に渡す事を考えたら、セキュリティ的にMarkDownは厳しいのでやはりExcelということになります。
MarkDown派の意見として、「Excelは羅先などの手直しが面倒だから保守に向かない」というものがあります。
「そもそも保守フェーズで設計書アップデートしてんの?」と思います。自分の経験から言うと保守で設計書アップデートまでしていた案件は少ないですね。
そもそも基本設計レベルのことは保守になったら不要だし、詳細設計に書くような細かいことならコードやDBを見たほうが良い気もする。
「じゃあ設計自体いらないじゃん」と言われるかもですが、設計は新規開発には必要です。
コードや実物がまだないので、客や他開発者と認識を合わせるためです。
SIビジネスにおいて、他開発者とは社外の受託先のことを指すことが多いです。
そうなると、WikiからMarkDownを抜き出して渡すみたいなことをするより最初からExcelで書くべきです。
ファイルとして保存できるので、色々なバージョンが出来てしまう
それは、Excel以前にファイルの管理の仕方が悪いのでは?と思ってしまいます。
例えばGitやファイルサーバで管理すれば、間違いなく最新がどれかわかりますよね。WinMergeなどで差分も見ることが出来ますよ。
客や下請けに出していくうちに、色々なバージョンが出来てしまうという問題もあります。
これは逆に色々なバージョンが出来ていい部分だと思います。
「当初の設計と違う=追加費用」という図式がなければ下請けはやってられないですからね。エビデンスとして使用することが出来ます。
検索がしにくい
まあテキストのほうが検索しやすいですよね。
でも検索マクロなんて2時間位あれば十分作れると思います。
むしろマクロを使えば、ファイルシステムを検索することも出来るし、DBに問い合わせをして最新のDDLを取得することも出来ます。
自分はメールとかも検索して、問い合わせ履歴みたいなドキュメントも作ってますよ。
MarkDownもJavaScriptが使えますが、利便性はこっちのが圧倒的に良いですよね。
まとめ
「Excelで仕様書は嫌だ!!」という意見に反論をしてみました。
個人的には、やはりレイアウトや図をある程度作り込めて、なおかつ工数がかからないところがメリットかなあと思っています。
開くのが面倒だったり、よく潰れたり、正直イヤな部分もありますが…。社内RedmineとかにExcelでちょこっとしたものが貼られると、「いや普通に書けよ」とか思いますしねえ。
markdownだとせキュリティ的に厳しい点があんまりわからなかったです。
ただのテキストファイルなのでお渡しして問題ないかと思います。
マークダウンビューアを相手方にインストールしてもらうのが問題と言うなら朗報で、
markdownをpdfに出力するツールがあります。
draw.ioなど無料のブラウザ作図ツールを利用すれば、MarkDownにリンクを挿入するだけで利用可能なのでそこはエクセルと大差ない気もします
GitHub、GitLabの検索機能も有能で大量のエクセルファイルから文字列検索するより素早く必要な情報を見つけてくれます
コメントありがとうございます。
draw.ioは使用したことがありませんでしたが、もしExcelでオブジェクトを扱う感じで図が書けるならそこは解消できそうですね。
確かにGit上で検索まで完結できるのがMarkDownの利点ですよね。Excelも実態はZIP化したXMLなのでGitから検索できるようになっても良さそうなのですが…